車いす · 2021/04/20
車いすの軽量化について考える
日本の車いすは軽い!他国に類を見ない軽量化に成功している。それは、家から外出の手段として車いすを使用しないからともいえる。海外では家からそのまま車いすで外出し車いすで帰宅するというコンセプトの上で車いすが進化しているので、車に積むという文脈で進化を遂げていない。また日本には玄関文化が古くから根付いている。その玄関文化では、土足で入る「たたき」がありそこから上がり框(かまち)という段差が存在する、よく古典落語であるように「A:ご隠居!ご隠居!B:あぁ~おまはんかいな、そんな大きな声でどないしたんやぁ えぇ~」という会話は上がり框で繰り広げられる。そのように家の中に上がり込まずに玄関で会話が成立する。そのように家の外と内を切り離した文化、その外と内とをつなぐ玄関に対する文化を日本では重んじる傾向にあった。そんな日本文化ではなかなか直接車いすで出かけることは至難の業である。だから、日本の車いすは車に積むために(それも軽自動車かセダン)軽量で折りたためるモノが普及したと言える… きっと… たぶん…
 · 2021/04/16
杖の先ゴムについて考える
杖の先ゴムは消耗品です。 杖を屋外で頻繁に使う場合は半年ほどで交換することが望ましいです。 先がすり減って斜めになるまで使っておられる方がいらっしゃいます。またその向こう側のゴムを通り越して杖の素材まで見えている方もいらっしゃいます。 先ゴムは地面につけて「たわまなく」なれば交換です。ゴムが「たわむ」ことで地面と摩擦を生み滑らないようにします。アスファルトなどの公道ならば凹凸があるのですり減った先ゴムでも摩擦が発生するため先ゴムとして機能は果たせますが、病院などでよく使われるリノリウム材のようにツルツルの床では劣化して硬くなった先ゴムでは、たわまず滑りやすくなります。まして雨の日などで床が濡れていたならばまず滑ります。 今一度先ゴムの柔軟性を確認をしてください。平らな場所で斜めに押し付けて、「たわま」なければ交換時です。 弊社のお近くにお越しの際は無料交換いたします。 また配達、配送もいたしますのでお気軽にご相談ください。
車いす · 2021/04/06
車いすアームサポートを考える
車いすにはアームサポートがあります。 これは「いす」で言うひじ掛けです。 しかしただの肘掛けにあらず! もちろん姿勢を支えるために存在しているが、立ち上がりの際重心を前方へ移動させるときの手すりとしての役割、車いすからベッド、ベッドから車いすなどの移乗動作における手すりとしての役割。またリウマチなど手で上手く車いすをこげない方は両足のみで車いすを駆動することがあるが、そんな時バックサポートに背中を預けながらもたれきった姿勢では両足に体重が乗らないのでなかなか前に進み難い。そんな時アームサポートを使って体を前に倒し重心を前に移動させることで駆動力を得ることができる。 その目的によってアームサポートは様々な高さに調整しなくてはいけないのである。
車いすクッション · 2021/03/29
車いすクッションについて考える3
アンカーサポートとはなんだ?? さてクッションの大きな機能にアンカーサポートがあります。座骨を前から止める土手のようなものです。アンカーサポートがないと座骨が止められずお尻は前にずれていき「ズッコケ座り」になります。しかしながらここがポイント!! アンカーサポートを利かせればいいという訳ではない!! この塩梅が難しいのです、アンカーサポートを利かせすぎると太ももが持ち上げられ逆に骨盤は後ろに傾いてズッコケエネルギーが発生してしまいます。 どこまでアンカーサポートを利かせるかは股関節の可動域それに伴う腰椎や胸椎などの連動する関節の可動域。また重力に対してその姿勢を保持する筋力や筋持久力などを考慮する必要があります。 結局のところはアンカーサポートを利かせてそれに伴い骨盤の背張り調整を行ない、時間の経過とともに姿勢がどう変化するかなどを評価する必要があります。 なかなか搬入の現場でそこまで行なう労力があるかどうか、またユーザーに望まれるかどうか・・・ でも福祉用具事業所がやらないと誰もやってくれません! ひとりよがりになりすぎないよう説明と同意を得ながら進めていきたいと思います!!
車いすクッション · 2021/03/22
車いすクッションについて考える2
車いすクッションは、座っているとお尻が痛いときに使いますが、そのお尻の痛みにも原因はあります。またクッションの効果はお尻が痛い時だけに効果的と言う訳ではありません!骨盤の前後の傾きや左右の傾きひいては背中や腰の姿勢の悪さや食事動作における飲み込みにも影響を与える効果的な用具です。 座布団とは全く別のものです。 背張り調整でいくら骨盤を起こして良い位置に調整してもクッションによる骨盤へのサポートがないと背張り調整の効果もゼロになってしまいます。 背張り調整とクッションを共に使うことで効果を発揮するのです。 つづく…
車いすクッション · 2021/03/15
車いすクッションについて考える1
車イスには基本的にはクッションを使うべきだと思っています。 それも一般的なホームセンターで販売しているようなクッションではなく車いす用のクッションを使用するべきだと思っています。 車イスはハンモック型の座面になっています。真ん中が下がった形状になっているので真ん中に座ればそこそこ座れるものの、少しでも真ん中を逃すと骨盤は左右どちらかに傾き続けます。クッションは座面の包容力を高めます。 車イスを使うならばどんな安価なものでも構わないので福祉用具JISマークのついているクッションも一緒に使いましょう。 つづく…
独り言 · 2021/03/08
独白~介護保険改定を考える⑥~
介護保険で福祉用具をレンタルする際『貸与事業者(福祉用具専門相談員)は、福祉用具を貸与する際、当該福祉用具の全国平均貸与価格と、その貸与事業者の貸与価格の両方を利用者に説明。また、機能や価格帯の異なる複数の商品を提示。』と平成30年に一文が変更された。こんなことが必要なのか・・・レンタル価格が適正なのですよという了解と、複数の商品から利用者に選択肢を与えるということだが、他の介護サービスにこんなことがあるのか?訪問介護のヘルパーを複数人連れて行って利用者に選んでもらうことがあるのか?通所リハの理学療法士を利用者が「今日は○○さん」と指名できるのか?福祉用具専門相談員の専門性を向上させるとか言っておきながら、最終的な選定は利用者に委ねることは専門性を無視していることにならないのか?その福祉用具を選んでいる専門性の熱を冷ましてはいけない。自信をもって利用者の身体機能と環境をふまえて絞り出したその福祉用具を提案しよう。
車いす · 2021/03/01
カワムラサイクルモダンシリーズを考える
https://www.youtube.com/watch?v=4QcSLyRKB3Y&feature=emb_title 車いすの市場は飽和状態にあるのか。。。ある商品が飽和を向かえると小さくなったり大きくなったり、中身はそのままで大きさを変える。またはカラーバリエーションを変える。今までなかった新色をセンセーショナルにメッセージとして伝える。カワムラサイクルのモダンシリーズはまさに市場の飽和を物語っている。コンセプトムービーもしっとりとしたジャズの調べに神戸の夜景を背景に車いすが佇んでいる。誰に向けた動画!?カワムラサイクルは迷子になっている!?しかしモダンシリーズは今まで車いすに搭載していた機能が充実しており座幅、前座高も様々なサイズが揃っているので介護保険のレンタル商品としては重宝するはずである。もう車いすは斬新なコンセプトとコマーシャル戦略がないと売れない市場になっている。
歩行器 · 2021/02/22
テイコブリトルホームFを考える②
前回からの続き。。。。    圧倒的にコンパクトを追求した『テイコブリトルホームF』であるが、歩行器の内幅が27cmということなのだが、平均的な肩幅が女性約40cm男性約45cmと言われている。少し考えればわかるが肘で体を支える場合肩幅に近い幅で支えることが望ましい。試してみれば分かるが、座った姿勢で左右の肘を90度に曲げた状態で肘と肘の間を体の前で近づけようとすると背中は丸くなりアゴは上がる。ましてや肘で体を支えるならば肘は体に近いほうが良い。しかし左右の肘が近づけば背中が丸くなり体から離れる。この状態で、肘で体を支えることは至難の業だ。よほど小柄な人でない限り、テイコブリトルホームFで歩ける人は前腕で支持する必要のない人である。それであるなら無理に悪い姿勢で歩かせずに他の歩行器を選ぶべきだと私は考える。
歩行器 · 2021/02/15
テイコブリトルホームFを考える①
歩行器には肘で支えることができる歩行器がある。それを前腕支持型歩行器もしくは馬蹄式歩行器と呼ぶ(参照ブログ歩行器を考える1~3)。前腕支持型歩行器はサイズが大きく自宅内での使用は不向きであるが、幸和製作所から発売されている「テイコブリトルホームF」は車幅を47.5cmまでギリギリにコンパクトにしたのである。今までの一般的な歩行器でも50cmはあるにも関わらず肘で支えることができて47.5cmは圧倒的にスリムである。しかし!!スリムにすればいいってもんではない!!手で支えるならまだしも、肘で体を支えるのにもかかわらず車幅が47.5cm何である。スリムになるということはもちろん肘の支持部分の幅も狭くなる。このテイコブリトルホームFは私が図ったところ肘と肘の間が27cmになる。27cmである!!何度も言おう27cmだ!!この続きは次回へ。。。

さらに表示する