歩行器

歩行器 · 2021/02/22
テイコブリトルホームFを考える②
前回からの続き。。。。    圧倒的にコンパクトを追求した『テイコブリトルホームF』であるが、歩行器の内幅が27cmということなのだが、平均的な肩幅が女性約40cm男性約45cmと言われている。少し考えればわかるが肘で体を支える場合肩幅に近い幅で支えることが望ましい。試してみれば分かるが、座った姿勢で左右の肘を90度に曲げた状態で肘と肘の間を体の前で近づけようとすると背中は丸くなりアゴは上がる。ましてや肘で体を支えるならば肘は体に近いほうが良い。しかし左右の肘が近づけば背中が丸くなり体から離れる。この状態で、肘で体を支えることは至難の業だ。よほど小柄な人でない限り、テイコブリトルホームFで歩ける人は前腕で支持する必要のない人である。それであるなら無理に悪い姿勢で歩かせずに他の歩行器を選ぶべきだと私は考える。
歩行器 · 2021/02/15
テイコブリトルホームFを考える①
歩行器には肘で支えることができる歩行器がある。それを前腕支持型歩行器もしくは馬蹄式歩行器と呼ぶ(参照ブログ歩行器を考える1~3)。前腕支持型歩行器はサイズが大きく自宅内での使用は不向きであるが、幸和製作所から発売されている「テイコブリトルホームF」は車幅を47.5cmまでギリギリにコンパクトにしたのである。今までの一般的な歩行器でも50cmはあるにも関わらず肘で支えることができて47.5cmは圧倒的にスリムである。しかし!!スリムにすればいいってもんではない!!手で支えるならまだしも、肘で体を支えるのにもかかわらず車幅が47.5cm何である。スリムになるということはもちろん肘の支持部分の幅も狭くなる。このテイコブリトルホームFは私が図ったところ肘と肘の間が27cmになる。27cmである!!何度も言おう27cmだ!!この続きは次回へ。。。
歩行器 · 2020/09/08
前回からのつづき。。。     馬蹄型歩行器に似ている歩行器として前腕支持型歩行器があります。これは四輪型歩行器の持ち手ハンドルの部分に前腕で支えることができる肘置きが付いているものです(写真参照)四輪型歩行器では不安定な方により支持性が高い歩行器です。馬蹄型歩行器は体を歩行器の中まで入れ、体を起こしその状態から肘で体重を支えることができます。しかし、前腕支持型歩行器は体の前で前腕で体を支えるため腰は曲がり前のめり姿勢になります。円背で腰が曲がっている方には良いかもしれませんがそうでない方には体を起こして歩くことができなくなります。歩くことの安全性を最優先に考えるあまり良い姿勢で歩くことを見逃しがちになりますのでご注意を。
歩行器 · 2020/09/04
歩行器には車輪のついた四輪型歩行器や馬蹄型歩行器があります。四輪型歩行器は手で押しながら体重を支え歩行の補助に役立ちます。また馬蹄型歩行器は聞きなれない言葉ですが、馬蹄・・・馬のひづめのように体を覆い肘で体重を支えて使う歩行器です(写真参照)病院や施設でよく使われる歩行器ですが、在宅ではあまり見かけません。まず車輪が小さいため1cmの段差も越えることができない。日本建築ではフローリングから畳の部屋に行くには2cmほどの段差があります。それを越えることができません。古くから施設などで使われ続け歩行器の代名詞のようになっているため、今もなんとなく存在し続ける馬蹄型歩行器。在宅を視野に入れた病院、施設での歩行訓練には使うべきではないと思います。そのまま病院を退院して自宅で使えるのなら全く問題はないのですが、自宅で使えない歩行器でどれほど歩行訓練したところで使えなければ意味がないからです。しっかりと退院後の生活環境を視野に入れた福祉用具の選定を入院中からしておかなければいけません。     次回に続く。。。
歩行器 · 2020/06/25
歩行器には様々な種類のものがあります。その中で車輪がつていない固定式歩行器があります(2020年6月21日ブログ参照)その固定式歩行器に小さなキャスターが付いているキャスター付き固定式歩行器(私が勝手に命名しています厳密な分類では歩行車になります)があります。前輪のみキャスターが付いているもの四脚すべてにキャスターがついているものなど種類は様々です。固定式歩行器は四脚すべてを一度に持ち上げて前に進むのに対し、キャスター付きはキャスターが付いている脚を引きずりながら前に進める、すなわちそこまで持ちあげる力がなくても使うことができる、また持ち上げる際に生じていた後ろへの重心の移動も少なくて済む、ということは固定式歩行器に比べると効率的に歩けるということになります。しかし前提としてキャスターが小さく軽量化されているため屋外での使用はお勧めしません。小さな段差の多い屋内で使用するには使いやすいと言えます。
歩行器 · 2020/06/24
歩行器には様々な種類のものがあります。その中で車輪がつていない固定式歩行器があります(2020年6月21日ブログ参照https://komelabo-blog.jimdofree.com/20200622/)またよく似ているもので交互式歩行器があります。固定式は本体を一度に持ち上げて使うのに対し、交互式は歩行器が斜めにスライドする仕組みになっているため左右片側だけを持ち上げて使うことができます。文章で説明するのが非常に難しい。。。具体的になにがどうか!?固定式は持ち上げる際重心が後方に移動するのに対し交互式は持ち上げる際に左右に重心が移動します。だからどうした!?固定式は歩く動作として両手を一緒に振り出すのに対し交互式は左右の手を交互に振り出すことで、より実際の歩行動作に近くなる。それがなんやねん!?固定式のほうが本体を一度に持ち上げるため段差を越えやすい。交互式は左右交互に持ち上げるので片側だけが段差に乗り上げると歩行器の支持性を失うため、段差がある場合は不向き。そんなところでしょうか。。。ぜひ使い比べてみてください。
歩行器 · 2020/06/22
歩行器には様々な種類のものがあります。その中で車輪がつていない固定式歩行器は持ち上げて使います。敷居などのちょっとした段差が多い日本家屋でも一般的な車輪のついた歩行器では段差を超えることが難しいが、持ち上げて使う固定式歩行器なら段差を超えることができます。また狭い空間でも方向転換できるため環境面で歩行器に適していない場合でも使いやすい福祉用具です。しかし持ち上げて使うため条件として何も持たずに立位保持ができる方に限定されます。立位保持はできるが片脚では立てない、またはその場で少し足踏みができるが前には進めないという方が使うと効果的です。しかし持ち上げて使うため前に押して使う車輪のついているものに比べ歩行に時間がかかります。また持ち上げた際に重心が後ろに移動するため歩行としては効率が悪くなります。さらに元々後ろにこけやすい方には不向きです。使う環境と身体機能、そして使う目的が合えば非常に使い勝手の良い福祉用具だと考えます。
歩行器 · 2020/05/28
歩行器とシルバーカーとの違いは…? そう聞かれると見た目はほとんど変わらないものがあります。 しかし介護保険におけるレンタルで分類されている歩行器とレンタル対象外のシルバーカーでは根本的に使用目的が違うということを理解する必要があります。 歩行器は歩行補助用具となり歩くことに対し支えとなってくれるものです。持ち手の部分に体重をかけても前輪が上がらずしっかりと支えてくれます。それに引き換えシルバーカーは荷物を運搬するためのモノであり、決して歩行補助用具ではないということです。なので持ち手に体重をかけると前輪が浮きあがるものがあります。運搬用のシルバーカーということは使用する対象者は歩ける人になります。歩くことが不安定で杖を突かなければいけないような方にはシルバーカーは適していないということになります。 シルバーカーというネーミングでお年寄りが使う歩行補助用具という思い込みは捨てましょう。