車いすクッション

車いすクッション · 2021/03/29
車いすクッションについて考える3
アンカーサポートとはなんだ?? さてクッションの大きな機能にアンカーサポートがあります。座骨を前から止める土手のようなものです。アンカーサポートがないと座骨が止められずお尻は前にずれていき「ズッコケ座り」になります。しかしながらここがポイント!! アンカーサポートを利かせればいいという訳ではない!! この塩梅が難しいのです、アンカーサポートを利かせすぎると太ももが持ち上げられ逆に骨盤は後ろに傾いてズッコケエネルギーが発生してしまいます。 どこまでアンカーサポートを利かせるかは股関節の可動域それに伴う腰椎や胸椎などの連動する関節の可動域。また重力に対してその姿勢を保持する筋力や筋持久力などを考慮する必要があります。 結局のところはアンカーサポートを利かせてそれに伴い骨盤の背張り調整を行ない、時間の経過とともに姿勢がどう変化するかなどを評価する必要があります。 なかなか搬入の現場でそこまで行なう労力があるかどうか、またユーザーに望まれるかどうか・・・ でも福祉用具事業所がやらないと誰もやってくれません! ひとりよがりになりすぎないよう説明と同意を得ながら進めていきたいと思います!!
車いすクッション · 2021/03/22
車いすクッションについて考える2
車いすクッションは、座っているとお尻が痛いときに使いますが、そのお尻の痛みにも原因はあります。またクッションの効果はお尻が痛い時だけに効果的と言う訳ではありません!骨盤の前後の傾きや左右の傾きひいては背中や腰の姿勢の悪さや食事動作における飲み込みにも影響を与える効果的な用具です。 座布団とは全く別のものです。 背張り調整でいくら骨盤を起こして良い位置に調整してもクッションによる骨盤へのサポートがないと背張り調整の効果もゼロになってしまいます。 背張り調整とクッションを共に使うことで効果を発揮するのです。 つづく…
車いすクッション · 2021/03/15
車いすクッションについて考える1
車イスには基本的にはクッションを使うべきだと思っています。 それも一般的なホームセンターで販売しているようなクッションではなく車いす用のクッションを使用するべきだと思っています。 車イスはハンモック型の座面になっています。真ん中が下がった形状になっているので真ん中に座ればそこそこ座れるものの、少しでも真ん中を逃すと骨盤は左右どちらかに傾き続けます。クッションは座面の包容力を高めます。 車イスを使うならばどんな安価なものでも構わないので福祉用具JISマークのついているクッションも一緒に使いましょう。 つづく…
車いすクッション · 2021/02/08
車いすのフットサポートの役割を考える④
前回からの続き。。。。。さて、フットサポートの位置はどこで合わせるのか?初めから床に足を下ろして座ることを前提に調整するのか。それともフットサポートに足を乗せて座ることを前提に調整するのか。ほとんどは後者であろう。しかし、前回お伝えしたが車いすの前座高はほとんどが43cm程度で床に足を下ろすと丁度良い高さになっている。そのためフットサポートに足を乗せると足を上げられた状態で座ることになる。座っている姿勢で足が上にあげられると骨盤が後ろに倒れる。重心は後ろに下がる。それに伴い背中は丸くなり姿勢は悪くなる。フットサポートに乗せることで姿勢不良を起こし、腰痛や褥瘡の原因になる可能性があるということである。車いすに座る時には足の位置をしっかりと確認し姿勢に与える影響を考えなければいけない。まずは車いすに座った状態で床にしっかりと足がつくのかどうか確認することが重要である。クッションなどを使用する場合は座面の高さが高くなるので足が床につかないこともある。利用者の体型や身体能力に合わせフットサポートも考えなければいけない。(参考ブログ2020.5.14車いすのフットサポートの役割を考える)
車いすクッション · 2020/09/11
前回からのつづき。。。     アウルリハシリーズに関して、車いすに座っている時に自分で座り直しができ、車いすへの乗り移りができる方にはお勧めしますが、介護度の高い方にはあまりお勧めしません。あくまでも『可もなく不可もないクッション』であると思います。身体機能を評価し座位姿勢を考え、生活の中において車いす座位で何を達成するのかを考えなければいけない場合、アウルリハシリーズは物足りないクッションだと私は考えます。私は個人的にウレタン系が好きなのですが、失禁など汚れた場合、カバーは撥水加工されていても、臭いがつきやすくお客様からよく交換のご連絡をいただきます。これからの時代手軽に消毒できることが絶対条件になるためウレタン系は日の目を見なくなるのかもしれません。
車いすクッション · 2020/09/10
車いすクッションには様々な種類のものがあります。ウレタン、ゲル、エアー・・・またそれらを組み合わせたハイブリットも多種多様です。その中でも汎用性に優れ、耐久性も高く、汚れにくいものと言えば「アウルリハシリーズ」ではないかと思います。そのクッションのカバーを外すとフクロウのデザインがモチーフになっており、表面素材はストレッチ性の優れた合皮で消毒も可能。またエクスゲルと言うゲル素材を全面に配置しており、お尻のズレに対して寄り添いながら圧分散する形状になっています。いま私の個人的な感覚ですが介護保険レンタルでよく出ている商品です。選ばれるその理由に汎用性に優れていることが第一の理由ではないかと考えます。エアーものとは違い特別なメンテナンスもなくとりあえず引いておけば褥瘡予防が可能になるという点です。つぎにウレタンに比べ耐久性に優れ、消毒もできる点が大きいと思われます。言い方は良くないですが、「誰でも何も考えずにクッションのファーストチョイスにしておけば何とかなるもの」だと思います。    次回に続く。。。