住宅改修

住宅改修 · 2020/09/01
前回からのつづき。。。     引き戸の開閉動作は開き戸と違い左右への重心移動が必要になります。左開きの場合はその反力を右足で受けて踏ん張ります。また右開きの場合は逆になります。内開きの手前に開ける開き戸に比べ体を逃がすような動作はなく単純に左右の重心移動で開閉が可能です。今の引き戸はレールが付いておりその上を滑車が転がる仕組みなので開閉に力を必要としない場合が多いですが日本家屋の場合、襖などの引き戸は建具の溝を襖が移動するため開閉に力を要する場合があります。開ける力が必要な分その反力は大きくなり脚にかかる負担も大きくなり左右への外力も大きくなるということです。重くて開けにくい場合はレール式のものに変えることをお勧めします。また軽すぎる場合ももたれながら開ける方にとっては転倒の原因になりますので注意が必要です。
住宅改修 · 2020/08/31
前回からのつづき。。。     引き戸の開閉動作について、開き戸と違って引き戸は横方向に開きます。本来、襖や障子などの開け方は引手に手をかけ指が入る程度開けた後襖の端に手をかけて開けるのが作法とされており、また閉める時も襖の端をつまんで閉め、最後の数センチを引き手で閉めるように作られています。ということは襖や障子の引手で開閉するのではないということです。開閉動作において引手の溝は浅く引っかかり程度の役割であるということです。作法としては床に正座して開閉するために設計されており現代の生活様式には合わない設計であると言えます。       次回に続く。。。
住宅改修 · 2020/08/28
前回からのつづき。。。     西欧では内開きの玄関扉が主流であるのに対し日本では外開きが主流です。それは靴を脱ぐ文化であるため狭い玄関に内開きであると靴の脱ぎ場に扉が干渉するためだと言われています。西欧では玄関と言う概念はなく扉を入るとすぐにリビングと言う家屋が主流です。日本では「敷居をまたぐ」「敷居をふむ」など本来の意味とは違う使われ方をすることがあります。人の家に入ることは神聖な行為であった証であろうと思われます。そのため玄関という家に上がる前のワンクッションを作ることで人とのコミュニケーションを図ったと言われています。元々客を招くという行為自体西欧とは考え方が違うようです。          次回へつづく。。。
住宅改修 · 2020/08/27
引き戸は開き戸に比べ開口幅を大きく取れて、車いすの出入りなどに適しています。日本家屋には襖や障子といった古来ある建具です。また玄関扉についても日本家屋では引き戸が主流でした。古くは高温多湿の気候上洋風建築のように個室を作らず襖や障子で仕切ることで風通しをコントロールできたためと言われています。また玄関について日本では元来、位の高い武家屋敷などにしかなく庶民は玄関と言うものがありませんでした。家に入るとそこには土間があり、かまどや水瓶を置いていた台所と兼用になっていました。しかし身分制度の廃止とともに玄関が庶民にも普及し今の形になりました。明治に入り西欧文化が入ってくるに従い玄関扉は引き戸から開き戸へ変化していったと言われています。 次回へつづく。。。
住宅改修 · 2020/08/25
前回からのつづき。。。右開きの内開き扉を開ける時、開けるのは麻痺のない右手で開けることはできます。しかし体を扉からよける時右足を後ろに引きます。その時軸足になるのが麻痺のある左脚です。全体重を麻痺のある脚で支えなければなりません。ましてやそれと同時に左後方に体の向きを変える。麻痺のある方にとって難易度の高い動作です。右手は安定しない扉を持っている。手すりなど左手で支えることができるほど麻痺のために力がない…そうです。左手で開けにくい左開きの内開き扉よりも。右手で開けることができる右開きの内開き扉のほうが転倒の危険性は高いのです。今まで無意識に行っていた動作を片麻痺になった後も無意識に行うことで思わぬ危険を冒していることがあります。回避する方法は、手すりを付ける、または扉自体を変えることで扉の開ける方向を変える、また住宅改修をしない場合は、扉を開ける動作を始めから扉に対し正対せずに右足を後ろに引いて斜めに立ち、扉をよけることができる位置に立つことで回避できる場合もあります。ややこしい話でイメージしにくいとは思いますが、我々は無意識下で効率的に動作するための方法を選択しているのです。
住宅改修 · 2020/08/24
前回からのつづき。。。     左開きの内開き扉は前回からお話している通り左手で開けると効率よく開けることができます。しかし向かっている方向とは逆に手前に扉を開くため体を扉からよけながら開けなければいけません。左開きの内開き扉を左手で開けた場合は体を右後方に左足を引いてよけることになります。その時軸足になるのは右脚(あし)です。逆に右開きの内開き扉を右手で開けた場合は右足を後ろに引いて左後方に体を逃がしますその時の軸足は左脚になります。何を言いたいのか…前回もお話した通り、もしも左片麻痺で手足が不自由になった場合。「左開きの内開き扉を左手で開けにくくなる」と話しましたが、右開きの内開き扉を開ける時、開けるのは麻痺のない右手で開けることはできます。しかし体を扉からよける時右足を後ろに引きます。「麻痺がないからそれぐらいできるだろう。」と思うかもしれませんが、その時軸足になるのが麻痺のある左脚です。全体重を麻痺のある脚で支えなければなりません。するとどうなるか。。次回へつづく。。。
住宅改修 · 2020/08/21
前回からのつづき。。。     内開きの左開きの扉を今まで左手で開けていた方が左片麻痺になったとすると、左手で開けることができない。しかたがなく右手で開けるとすると、右手で開けドアノブから一度右手を離し、扉の端を右手で持ち替え再度扉を開けるという動作になります。もし左足にも麻痺があると体をよけながら扉を開けるという動作も難しくなりしっかりと開けてから扉を通過する方法をとります。今までしていなかった動作を行うことで転倒の原因にもなり得るということです。今まで我々が無意識に行っている動作には様々な効率的に行っている動作があります。一度注意して扉を開けてみてください。    次回へつづく。。。
住宅改修 · 2020/08/20
前回からの続き。。。      扉の開け方によって体の使い方が変わります。内開きの場合は体をよけながら開ける必要があります。それは右開きでも左開きでも同じです。しかし左開きの場合は一般的には左手で右開きの場合は右手で開けます。それは動作の効率がいいからです。右開きを左手で開ける場合はドアノブを回し扉を開けるとドアノブから右手をはなし左手に扉を持ち替えて開けます。体の位置によって多少変わりますが、「持ち替える」という動作が発生します。そうならないため内開きの右開きは右手で、左開きは左手で開けます。何を言いたいのか…例えば脳梗塞などで片方の手足が麻痺になった場合、今まで行っていた動作方法を変えなければいけないということです。     次回へつづく。。。
住宅改修 · 2020/08/19
開き戸には内開きと外開きがあります。また右開き、左開きもあります。トイレなどその扉以外に外に出る方法がない場合は外開きが主流です。もしもその個室で床に倒れ身動きができなくなった場合、内開きの場合は扉を開けるにも床に人が倒れていては扉を開けて救出することができないことがあるため外開きを設置します。それ以外では特に決まりがあるかどうかは定かではありませんが、それぞれの開き方で動作方法は変わってきます。例えば扉に対し右側から右手を伸ばし開ける場合。扉が右開きの外開きなら体を扉からよけながら開けなければいけません。しかし同じ方法で右開きの内開きなら体をよける必要はありません。しかし右開きの内開きの扉は部屋の反対から来た場合は左開きの内開きになり、全く反対の扉になります。なにを言っているのかだんだん分からなくなってきました。。。 次回へつづく。。。
住宅改修 · 2020/08/18
前回からの続き。。。      しかし歩行において腕で引っ張りながら歩く動作は重心を自ら前に移動する動作を阻害してしまいます。歩行においては望ましい方法とは言えません。しかし壁に近い横手すりに対し真下に体重を乗せて使うことは難しく、往々にして横手すりは引っ張って使うケースが多いのです。利用者の歩行能力と手すりとの位置関係や自宅内やそれ以外での歩行頻度など考えて設置することをお勧めします。

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