スロープ

スロープ · 2020/08/14
前回からの続き。。。      ミニスロープの問題はもう一つあります。廊下に面した和室などの敷居に設置した場合スロープが廊下にせり出すということです。1cmの段差なら4cm、2cmの段差なら8cm廊下にせり出します。敷居を越える動作だけを考えればスロープもいいのですが、廊下を移動するにはそのせり出しが段差になります。スロープの側面を斜めに加工している物もありますが十分つまずく原因になります。転倒する場合はしっかりと段差があると認識出来ている場所よりも、家電のコードやじゅうたんの端など認識しにくい不用意な段差で転倒する傾向があります。スロープの端もそうなる可能性があるということです。ホームセンターなどで容易に手に入るこのスロープですが、しっかりと判断できる専門職に意見を聞くことも大切ですので、お気をつけてお選びください。
スロープ · 2020/08/13
前回からの続き。。。      敷居のつまずき防止のためにミニスロープを設置するというケースも時折見かけます。しかし、1cmの段差でつまずく方が果たして14°のスロープでつまずかないといえるでしょうか?ましてやスロープの奥行きは4cmあります。スロープを踏んだ状態で足を振り出す場合不安定にならないとも限りません、ということは1cmの段差に対し4cm離れた位置から足を上げて歩かないといけないということになります。1cmでつまずくような方がこの動作を出来るのかどうか・・・もちろん全く不向きというわけではありません、麻痺などによってどうしてもつま先が上がらない場合はスロープのほうが歩きやすいこともあります。つまずきの原因が何によって起きているのかしっかりと評価しないと余計につまずきの原因を作っている場合もあるということです。    次回に続く。。。
スロープ · 2020/08/12
前回からの続き。。。最近のスロープは以前に比べ軽量になっています。しかしメーカーによってそれぞれではあるものの2mのスロープで8~9kgあります。長さ2m、重さ8kgのスロープを設置することは容易ではありません。しかし耐久性を考えた上での軽量化は今のところこれが限界と言えます。。。スロープには自宅内の敷居など小さな段差に設置する小さなスロープもあります。どんな場合に使用するのかと言えば、自宅内を車いすで移動する場合に1cmの敷居といえども毎日何度も行われるその乗り上げはバリアとなります。ましてや利用者本人がこいで移動する場合は1cmでも越えることは難しい…そんな場合に使用します。しかしメーカーによって誤差はありますが某メーカーの商品では1cmの敷居に対してスロープの長さは約4cm…ということはスロープの角度は約14°となります。まっすぐ勢いよく越えるなら何とか越えることができますが、廊下から90°曲がって和室に入るような家屋構造の場合は、曲がりながら14°のスロープを越えなければいけません。不可能に近いです。そんな場合はできれば段差を解消する住宅改修をお勧めします。次回に続く。。
スロープ · 2020/08/11
玄関や門扉などに段差があり車いすでは外出が困難な方にとって、スロープは重要な福祉用具の一つです。スロープ選びには誰が使用するかによってその長さを考えなければいけません。まず車いすを利用者本人が車いすをこいで段差を越える場合、最低でもその傾斜は5°未満が望ましいとされています。段差の高さが10cmの場合5°になるためには約1mのスロープが必要になります。玄関などの上がり框が40cmの場合は約4mのスロープが必要になります。玄関から4m伸びるスロープは現実的に設置することは困難です。また5°といえども4mも坂を上ることは日常的に難しい動作と言えます。自分で上る場合は段差10cm程度が限界ではないかと考えます。次に介助者が車いすを押して上る場合はその傾斜角度は10°未満が望ましいと言われています。例えば上がり框が40cmの場合2m以上のスロープが必要になります。しかしこの場合も介助者の力によってスロープの長さは考えなければいけません。誰が介助をするかによってその傾斜は変わってきます。    つづく。。。。